TOS編成業務部 勤務・元アナウンサー
休暇を利用して分割渡航し、2009年5月 カナダで自家用操縦士技能証明(飛行機・陸上単発)取得。10年3月 日本の技能証明に書換完了。 21年4月 特定操縦技能審査員 認定。日本航空機操縦士協会 九州支部委員(大分空港担当)。
11月のTOSオンライン開設記念?で記事を書いて以来の投稿です。前回の記事は県内の飛行場についての記事でしたが、今回も飛行機にちなんだ話題です…
その話題というのが、先月2月27日(日)竹田市久住町にある久住滑空場周辺で行われたこの時期の風物詩である〝野焼き〟です。
野焼きと飛行機、どういう関係があるのか?というと…
「NPO法人 九州グライダースポーツ連盟」という、主に社会人が加入しているグライダークラブが、こちらの滑空場を活動拠点の1つにしている関係で、野焼きの際にはクラブの有志が集まって警戒や消火活動にあたっています。
私自身は飛行機の免許しか持っていませんが、こちらのクラブに加入しています。
とはいっても、今年度は職場が変わった関係やコロナ禍、天候などのタイミングが合わず一度も参加できていません。
なので、せめてお手伝いを…と思い参加してきました。
ところで、航空機の技能証明(免許)にはいくつか種類があるのをご存知でしょうか?
私が操縦しているセスナ172のような、発動機(エンジン)のついた固定翼の航空機を操縦できる「飛行機」、ヘリコプターを操縦できる「回転翼航空機」、グライダーを操縦できる「滑空機」・「飛行船」と4種類あります。
それぞれ別の技能証明なので、グライダーに乗るなら「滑空機」のものが必要ですが、種類が違うものでも技能証明(及び有効な航空身体検査証明)を持っていれば、監督者(操縦教官)が一緒なら同乗教育としてフライトすることができます。
(技能証明を所持していない方は、航空身体検査を受けて「操縦練習許可書」を取得すれば、操縦教官と同乗しての練習が可能です。)
さて、エンジン付きの飛行機と違って、グライダーは基本的に単独では離陸できないため、パイロット以外にも、上空と地上の管制をするピスト、実際に機体を取り回すクルー、機体の曳航操作を行うウィンチマンなど様々な役割の方々の協力がないと飛ぶことができません。
みんなで助け合ってフライトしているんですね。
グライダーのランウェイ(滑走路)の多くは、草地や草原なのですが、この草原を維持するためにも、毎年行われている野焼きが欠かせません。
2~3日前に、周辺の牧草地を管理している牧野組合の方からクラブに「今週末野焼きを実施します!」と連絡が入り、例年より少し早いようですが野焼きが行われました。
12時半ごろ着火というお話でしたが、風が少し強いのと、乾燥していることから 少しずつ着火しているようでした。
前述のように我々は、「野焼きをする人」ではないのですが、福岡や北九州から多くのクラブ員が集まりました。
大学時代にグライダー部に所属していた方が多いのですが、最近入られた方もいて総勢12人が参加して、監視と消火活動に取り組みました。
少し目を離すと、思わぬところに燃え広がったりするので注意が必要です。
建物周辺の燃えているエリアをみながら、この辺りで止めた方が良さそう…と思ったところに手動で水をかけます。
最初はすこしコツが必要ですが、何度かやるうちに慣れてきました。
道路周辺をぼちぼち消していると「阿部さんこっち!」と呼ばれる。備品を保管しているコンテナの周辺が燃え広がりそうになっていたので、もう1人の方と協力して消火活動。
水をかけると発煙するのですが、煙が目にしみてイタイ、イタイ。
それでもなんとか無事に消火する事ができました。
30分もしないうちに、周囲は一面の銀世界ならぬ黒世界。 6月ごろには青々とした草が生えてくるそうです。
私たちは格納庫周辺だけでしたが、牧野組合の皆さんは、別のところに下っていかれていました。
こうやって、毎年「野焼き」という手入れをすることで、ここ久住の美しい草原を守っているんだなぁと実感しました。
なお、こちらの滑空場では、ウインチ曳行といって、2kmぐらいあるロープで機体を引っ張って離陸させる「曳航ウインチ」で離陸する方法が一般的です。
初めての方は、かならず驚くほどの急角度で離陸します。(ほぼ、打ち上げられる感覚)
シーズンは初夏以降ですが、興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか?
<お問い合わせ> NPO法人 九州グライダースポーツ連盟 https://q-glider.com/
<前回の記事はこちらから>
県内にある大分空港、県央飛行場、そして久住滑空場の3カ所について書きました。
TOS編成業務部 勤務・元アナウンサー
休暇を利用して分割渡航し、2009年5月 カナダで自家用操縦士技能証明(飛行機・陸上単発)取得。10年3月 日本の技能証明に書換完了。 21年4月 特定操縦技能審査員 認定。日本航空機操縦士協会 九州支部委員(大分空港担当)。
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